2019/10/5

夜になったら酒を飲む。これは義務。

最近はジャックダニエルをストレートで飲むのが最高だってことに気づいて、小瓶や中瓶を傾けている。コスパはあまり良くないけど、びっくりするくらい次の日に残らない。小瓶を一晩で一本空けても、次の日、何も残らなくて感動した。

 

楽しくないし、嫌なことや面倒なことばかりの毎日で気が狂いそうになっている。自分のキャパが他人に比べて矮小なのだということは薄々気付いていたけれど、それが確信に変わりつつあるわけで、不甲斐なくて、死にたいなぁ、と五分に一回くらい思いながら、死なずに病気にもならずに(なってても気付いてないだけかもしれない)、なんとかズルズル毎日をこなす。これも義務。

 

無意識的に自分で定めた設定を絶対だと思い込んで生きてる人間が多い。笑える。自分もそうなのかも、と思い至って、また笑う。

自分は自分に操られている。自分を自分で制御できていない。自分とはなんぞや。自分じゃない自分が自分の中に共存している。気持ち悪い。

 

頭が悪いので、何も理解できない。労働に命を懸けることを愚かだと思ってしまう。ていうか、なんで労働なんかに精神を削られないといけないのか分からない。大多数の人々が労働をこんなに憎んでいるのに、労働をしなければ命を存続できない環境を整備し続けているってドMにもほどがあるよな、人間様は。まぁ、これは戯言。

 

早くみんな気が狂ってしまえばいい。いやいや、もしかしたら、すでにみんな気が狂っているのに、それが正常だと勘違いしてるだけかもしれないっすよね。どんなにブッ飛んでる思考回路も、思考するその主体の中で主観的に納得されれば、それは全て主体にとって「正常」へ収束してしまう。

 

結局、自分が正しいと思うことが、他人からどう思われても、自分にとっての正解だってこと。お前らの正しさはいらない。

自分が唯一の正義だ、って戯言を垂れ流しながら、身体も心もぶっ壊して、適当に死ぬだけ。

でもそれが正しいと思うのなら、それが一番正しいんじゃないでしょうか。分からんけど。

 

憂き世話

吉本くんはいつも「楽して暮らして100歳で死にたい」と言っていたけど、中学を卒業してすぐ働き始めて、その仕事は全然楽なものではなくて、過酷な肉体労働。重いものを運んで、組み立てて、分解して、高い所の狭い足場をせせこましく歩き回るような感じの仕事だった。そんで、吉本くんは19歳で死んだ。高い所の狭い足場から落ちたらしい。落ちただけでも可哀想なのに、落ちた先に鉄骨や鉄の棒や鉄のワイヤーやなんやかんやの山があって、運悪くその山から突き出ていた1本が吉本くんの腹部に突き刺さってしまったらしい。百舌の速贄みたいな有様で吉本くんは息絶えた。

そうして、吉本くんの生きるはずだった残りの81年は、一瞬にして消えた。

吉本くんが死んでしまって、びっくりしたし、悲しかったけれど、でも人はいつか死ぬんだから仕方ないのかもしれない、とも思った。生まれたってことは、イコール、死んでしまうっていうことだ。私は、吉本くんとめちゃくちゃ仲が良かったわけではないからこういうことが言えるのかもしれないけれど、私だっていつか死ぬ。吉本くんは百舌の速贄みたいな死に方だった。私は挽肉にされた豚みたいな死に方で死ぬかもしれない。人生、何が起こるか分からない。でも、もっと愉快な死に方が良い。笑いながら死にたい。

吉本くんはどんなことを考えながら死んだのだろう。たぶん目の前の仕事に一生懸命で、気付いたら、お腹に鉄の棒が刺さっていて、血がたくさん出ていて、そして、死んでいたんだろう。悲しい。

吉本くん。楽して暮らせていなかったとしても、楽しく暮らせていただろうか。100歳じゃなくて19歳で死んでしまったけれど、たくさん笑っていたのだろうか。

私は、同い年だった吉本くんより年上になってしまった。毎年、誕生日が来るたびに、吉本くんと年齢が離れていく。私はどんどんオバさんになっていくのに、吉本くんは19歳のままだ。

死んでしまうって、どういうことなんだろう。私は、誰かの死を知っている。

おじいちゃんが死んだ時は、親族がみんな集まって、ベッドに横たわって必死に呼吸をしようとしているおじいちゃんを眺めていた。泣いていたり、泣いていなかったりしたけれど、誰ひとりおじいちゃんから目を離すことなく、じっと、全員が瞬きすら惜しいような様子で、じっと、おじいちゃんを見つめ続けていた。あの時、おじいちゃんは紛れもなく、おじいちゃんという舞台の主人公だった。空気を嚥下しようとしておじいちゃんの喉仏が上下する間隔がどんどん開いていって、数秒に1回だったのが、数10秒に1回になって、そして、動かなくなる。拍手喝采ではなかったけれど、会場は涙を流す人で溢れてたよ、おじいちゃん。

誰かが死ぬことは、自分にとって、どういう位置付けにあるのだろう。

小説を読み終わった感じ?

でも、人間の一生は物語ではないと思う。伝記になってる人も沢山いるけど、それは周りの人々が勝手に物語としてその人の死を消化したってだけのことで、その人自体は物語ではなくて、その人でしかない。

でも、やっぱり他人の死は客観的にしか感じることができないってのも分かる。というか、もうそれは避けようのないことだ。だって、主観なんてその人の中にしか存在しない。その人だけの世界で、その人は生きて、死んでいく。私は、私の感覚だけでしか生きることができないし、その延長で、私の感覚だけでしか死ぬことができない。

だから私の生は私だけのもので、私の死は私だけのものだ。

私は吉本くんの死を物語にしたけれど、それは私が吉本くんではない視点で吉本くんについて勝手に語っただけのことで、吉本くんの死の本質は吉本くんだけの秘密なのだ。客観であれこれそれらしく語っても、何の意味もない。

死は、たぶん、私にとって最後の秘密になるのだ。

決して誰にも明かせない秘密。

それをいつか誰かが勝手に想像して、お涙頂戴でも喜劇でも何でも、物語として語ってくれるなら、私はとても嬉しくて、とても虚しい。

 

 

 

 

 

 

2019/08/29

8月が終わるってことは、夏が終わる。

 

盆明けくらいから一気に涼しくなって、朝晩は肌寒いほどだ。仕事でバイクを乗り回しているわけだけれど、今日の夕方はなんだか風が冷たくて震えながら運転した。

 

月曜日にふとチェストピアスを空けたい衝動に駆られて、amazonでニードルとピアスとクランプをポチって、昨日ピアスとクランプが届いて、ニードルはまだ届いてなかったのだけど、空けたくてたまらなくて以前使ったニードルをなんとなく捨てずに置いてたそれでブチ空けた所存。

久々に穴を空けたけど、やっぱり痛いし、めちゃくちゃ失敗したし、最悪だった。3回失敗して血まみれになりながら皮膚に針を差し込んだ4回目でやっと成功。皮膚に針が刺さる、あの「ブチッ」って感触がいつまでも苦手で慣れない。

 

仕事がうまくいかなくて死にたいなぁ、と思いながら毎日働いてるので偉い。

 

令和が良い時代になる兆しは今のところ皆無ですね。みんな頑張って生き延びよう。生まれたからには生きなけりゃな。

 

 

2019/8/15

あと10分で今日が終わる。なのでこれを書き終わっている頃には2019/8/16になっているかもしれない。どーでもいいね。

 

中村佳穂の音楽を聴きながら、吉田棒一を読む。天才ってのはネットとか書店で、沢山沢山、目に耳に訴えかけてくるけれど、じゃあ実際どれくらいいるのかって、本当、限られた人数しかいないんだと思う。限られた人数が書店やYouTubeやその他メディアとかに集積されて情報としてこの目や耳に入ってきているから天才が沢山いるように錯覚しているだけで、凡人や凡人以下の人間の数の方が圧倒的に多い。絶対に。

僕は天才ではない。天才ではないって事実は辛い。

学生の頃、教授が「自分の頭が悪いことに絶望したことはあるか?」と学生たちに問うたことがあった。そんなの毎日のことだ、と僕は思った。周りの学生たちはどう思ってたか知らないけど、キョトンとした顔をしてる奴が多いように見えた。自分の頭で満足できてるなら幸せだよな。

 

足りない頭で辿り着ける果てって一体どんなもんなんだろう。自分の眼に映るものが全てだなんて虚し過ぎやしないか。自分の思考の限界が、そのまま、自分の世界の、人生の限界だなんて、虚し過ぎやしないか。

 

だから、せめて他人の人生に何か残したくて、こうやって、もがいている。愛するフリ。愛されるフリ。騙されて、騙して、そうやって、誰かの記憶に残っていたい。虚しい自分をあなたの人生の片隅に残しておいてほしい。

 

僕は天才ではないから、こういうやり方しかできないけれど、許してほしい。許さなくていいから、忘れないでほしい。

 

結局、他人は他人でしかない。

 

何を言ってるか自分でも分からないけど、それくらいが丁度いい。馬鹿だから。

 

 

 

 

 

 

2019/8/1:令和、霊話

元号が変わってから良いことがない。本当にない。

 

親類が立て続けに亡くなったり、祖母が入院したり、彼女とうまくいかなかったり、仕事もうまくいかなかったり、その他諸々。

 

テレビを見てると、しょーもない話題か、悲惨な事件か、あやふやで訳の分からん政治の話か、そんなのしか目に入らない。気が滅入る。

 

ドン引かれるくらい日焼けして、ヒリヒリした腕をぶら下げて、夕立ちに打たれて、走り回っても、ノルマ未達で叱られる。自分の効率の悪さに殺される。気が滅入る。

 

 

今日は祖母の手術があって、仕事が終わってから病院に向かった。手術は無事終わっていて、ベッドの上で祖母は、点滴が痛いと看護士さんに文句を垂らしていた。祖母の腕を見ると、点滴が抜けないように、針の上から包帯やらテープやらでグルグル巻きにして、がっちり固定してある。ねぇ、でも、それは昨日、点滴を無理やり引き抜くなんていうクレイジーな行為をしちゃった貴女が悪いんですよ、おばあさん。

入院し始めてから、祖母は霊感が目覚めたらしく(たぶん妄想)、「ここには幽霊がたくさんおるで、ほらあそこに誰かおる」とビビらせてくる。一昨日の夜には、死んだ祖父がベッドの横で医者の格好をして現れたとかいうちょっと面白い霊体験をしたらしい。

 

そんな祖母だけれど、いつ家に帰れるか分からないし、大好きだったグラウンドゴルフがもう一生できなくなるかもしれないなんて聞くと、悲しくなる。

昨日、祖母の荷物やらなんやらを病院に持っていくために、祖母の部屋に入って、グラウンドゴルフ大会で優勝した時の新聞記事を拡大したものとか、トロフィーを持って嬉しそうにしている写真とか、壁にたくさんたくさん画鋲で止めてあるのを見てしまって、やるせない気持ちになった。

 

早くいろんなことが良くなってほしい。

 

悲しいのは嫌いだ。

 

 

人は死ぬ。

あいつが死んだらしい。らしいってのは風の噂で聞いたから本当に死んだのかは分からないって恋人が言ってたから。

死んで欲しいと思ってたけど、正直、どーでもいい。死んだんだ、へえー、って感じ。

 

問題は、その事実を恋人の口から聞いたことで、まぁ恋人以外にあいつの話をする人間はおれの周りにいないのだけれど、恋人はあいつのことをたぶん今でもどっかで抱え込んで大切にしてんだろうな、ってのが改めて感じられて、うざったい。

 

ショック受けたんだってさ。まぁ、そりゃそうだよな。あんなに好きだったんだもんな。あんなに好きだった人間のことを、どーでもよくなるなんてことはないよな。

 

でも、そんなこと、おれには関係ない。黙っていてくれ。

 

おれは未だにあの頃のことをふとした瞬間に思い出して、死にたくなってんの分かってんのかな。お前らのせいでおれは少しおかしくなってるってこと気付いてんのかな。お前ら、って括ってしまうしかないこの虚しさとか理解できるのかな。

 

できないんだろうな。

してもらおうとも思ってない。

 

いつまで付き纏ってくるんだろう。

 

うざったい。

 

 

 

2019/06/29:雨のち曇り

朝、目が覚めると6:40。

今日は会社のボランティア活動で6:30集合。集合場所までは車で30分。アラームは5:30にセットしてたはずだった。で、目が覚めたのが6:40。

終わってる。

もう諦めて、上司に連絡もせずにまた目を閉じる。

土曜日だから許してほしい。無理か。

終わってる。

 

最近はなんだか、いろんなことの調子が狂っている。生活は難しい。朝起きて、昼間働いて、夜寝るだけのはずなんだけどな。

恋人にはもう友達と変わんないね、とか言われる。

セックスもしたいと思わなくなったし実際しばらくしてないし、会う頻度も減ったし、ってお前が減らしたんだろって思うけど、増やす努力をしてない僕も悪いのでお互い様。

この間恋人は大学の頃の仲良しグループと遊びに行ったけど、その中には元カレもいて、「その人とは3ヶ月しか付き合ってないしキスしかしてないしもう友達としか思えない」ってまあそうなのかもしれないけど、僕にとっては元カレは元カレでしかないのでお前の理屈なんて分からない。

恋人は平気で元カレたちとのあれこれを僕に話してくる。けっこうエグい話まで。隠すよりは良い、って思ってんのかもしれないけど、普通そんな話聞きたくないだろって思う。僕がおかしいのかもしれない。普通は平気なのかもしれない。他人のことは知らない。どーでもいい。

あっちが働き始めたら色々変わるんだろうとは思ってたけど、思った通り過ぎて笑える。

まあ悪いのは相手ばかりではない。僕も悪い。

 

寂しさで簡単に人は狂う。

 

最近、僕は今までの100倍、自分を中心に置いて生きるようになった。誰かのことを考えて生きることが正しいとずっと思ってたけど、実はそれってめちゃくちゃ意味のないことだと最近思い知ったから。

誰かのことを考えるのは自分のことを考えていてほしいからで、見返りを求めているだけだって気づいた。けっきょく誰かのことを考えてるフリをして自分のことしか考えてないのなら、最初から自分のことを考えていたほうが良い。良いのか?  まぁ、いいか。って感じ。

 

恋人は最初から自分中心に生きてるタイプなので、羨ましかったんだよな。

 

この人とは色々あったけど、色々あったこと全部が引っかかり続けていて息苦しいままここまで来て、けっこう頑張ったんだけど、なんだかやっぱり上手くいかない。

また分かんなくなってきた。

 

自分にないものを持ってる人になりたいと思う。きっと彼女は僕にないものを持っていたんだと思う。僕はそれを羨ましがって、嫉妬して、それで壊れかけている。執着か愛情かなんでどうでも良い。一緒にいるっていう事実があれば、良い。良かったのにな。

 

たしかに歩き続けている。

どこに向かっているのだろう。

目的地って何処だったっけ?

 

早く、安心したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

憂き世話

「死んでしまえ」

ふと、口から出た言葉。誰に向けた言葉なのか、自分でも分からないけれど、死んでしまえ、確かに今、私はそう思って、そう口にした。

 

「死んでしまえ」

 

いつだったかな。元カレに言われたことがあった。

酔った勢いで居酒屋で知り合った知らない男と知らないホテルでヤって朝帰り、部屋で待ってた元カレに「知らん奴とヤっちゃった♡」と暴露したら食い気味に言われた。

100%、いや500%私が悪かった。

けど、それでなんか逆ギレしたのが原因で色々崩れてって、結局元カレは元カレで浮気してたのが発覚して、そんで別れたんだっけな。バカじゃん、私。元カレもバカ。

でも男と女なんてそんなもんじゃん。

 

いくら清楚を気取っていても、腹の底ではイケメンとヤりたいとか思ってるわけで。

いくら彼女一筋とかほざいてても、腹の底では可愛い女の子を求め続けてるわけで。

 

電車が来るまであと四分。

目の前で立ったまま寄り添って、同じイヤホン使って、ひとつのスマホで同じ動画見てるカップル。

お前らは本当は動画なんて見てなくて、この後どっちかの部屋で行われるあんなことやこんなことのことばっか考えてんだよな。

 

あー、くだらねえな。

 

「死んでしまえ」

 

もう一度、言ってみる。

誰に死んで欲しいんだろう。べつに誰にも死んで欲しくない。

嫌いな奴はたくさんいるけれど、死んで欲しいとまでは思わない。だって、みんなそれぞれ頑張っていて、必死で、いろんなことを考えて苦しんでる。苦しいけどなんとか生活をこなして、生きている。

頑張れ。

 

 

あ、そうか。

死んで欲しいんじゃないんだ。

 

 

これから電車に乗って、先週知り合った男に会いに行く。そこまでイケメンではないけれど、まあまあ背が高くて、まあまあなスペックのあの男。

 

行き着く先は?

 

確実に、愛じゃねえよな。愛そうとも思ってないし。きっと向こうも。

 

あー、くだらねえな。

 

あと二分で電車が来る。

 

「死んでしまえ」

 

目の前のカップルはイヤホンで片耳を塞いでいるし、動画に夢中なフリして夜のお楽しみに向けてあれこれ思い巡らすのに夢中だから、私の呟きなんて雑踏音の一部でしかない。私の後ろには誰も並んでいないから、私の声は私にしか聴こえていない。

 

「死んでしまえ」

 

あと一分で。

 

男と女なんて、分かり合えないもんな。

私と誰かなんて分かり合えない。

私と私も分かり合えない。

死ぬまで、ひとり。

 

あと何秒?

 

 

 

 

2019/06/08:雨

明日は試験だ。勉強をしようと参考書を開いて、眺めて、飽きて、スマホをいじって、参考書を眺めて、飽きて、スマホをいじって、を繰り返している。もう夕方だ。今日は天気が悪くて不快。

 

1ヶ月くらい前に「愛がなんだ」っていう映画を観た。あれを観てから心の中で何かが引っかかっているような気がする。1ヶ月経ったけど、何が引っかかってるのか未だに分からない。愛なんてもの、本当に存在するのだろうか。愛に見せかけたエゴとかなら、そこら中の男女の間に溢れてるんだろうけど。

 

愛されたいわけじゃないと思ってたし、愛してあげたいと思ってたけど、そのどちらも間違いだったのかもしれないなぁと、最近は考えている。

愛してもらえなくても、とりあえず一緒にいてくれればいい。僕があの子を思い切り愛して、不安なく生きていけるようにしてあげたい。そうなれば1番良いとは思う。

でも、愛を差し出し続けても、それをなんてことないものみたいに、当然でしょう、みたいな顔で受け取られ続けると、なんだかおかしくなってくる。与え続けるだけじゃバランスがおかしくなってくる。

知らない間に与えられてたものとか、もちろんたくさんあるんだろう。それに気付けないで文句ばっか言ってる僕は、自己中心的な人間なんだろう。結局、見返りを求めて動いてるだけだ。愛されたくて愛してる。超ダサい。

それに、僕が愛として差し出し続けていたあれは愛なんかじゃなくて、自意識優越感傲慢怠惰罪悪感嫉妬独占欲etc.をグチャグチャに詰め込んでミキサーで砕いて「愛」の形した型に流し込んで冷凍庫で一晩固めたみたいな感じの何かだったってこと、薄々気付いてた。

そんなもん渡され続けても困るよな。だって見た目は愛でも蓋開けてみたら汚い塊なんだもんな。

でも、僕はそれしか渡せない。僕の精一杯は、それ。

あの子は、いつも蓋開けてくれてんのかな。蓋開けずにそのまま置いてるんだろうか。開封するのが勿体無いって、大切に大切に置いてくれてるんだろうか。もしも、そうだったら嬉しいけど悲しい。早く開けて欲しい。

もしも、毎回ちゃんと開けてくれてるなら、それなら良い。

どれだけ考えても、これまで渡してきた「愛」たちの蓋が開いてるのか開いてないのか分からない。

 

「分かり合う」なんて幻想だ、って誰かが言ってたな。誰だっけ。

 

このままじゃ、明日の試験に受かる気がしない。やる気スイッチなんてどこにもないし、楽な生活なんてここにはないし、欲しいものは手に入らない。それが人間として生きるってことです。クソみたいだな。

 

頭の中がまとまらない。

 

 

 

 

 

 

憂き世話

溜め息を吐いた。何か悪いものが、この薄い不恰好な唇の隙間から、ふっ、と流れ出していく想像。しかし、何も変わらない。あの男はここにいない。今頃どこかで適当に会える適当な女と適当に酒を飲んで適当な相槌をうっているんだろう。

仕事帰りに買ったコンビニ弁当はもう冷めてしまった。生姜焼き弁当、ご飯大盛り。しょーもない晩御飯。発泡酒の缶を開ける。毎日、五百ミリリットルを一本。ビールは高いから買わない。味の違いもわからないし。

恋なんてもの、もう忘れてしまった。あの男が好き。キスしたい。セックスしたい。うん、確かにそう思う。でも、それだけじゃ恋ではないのだろう。恋ってのは、もっと、ガーッとしたどうしようもない感情を持て余して、もうどうしようもなくて、どうしようもなく幸せな気持ちのまま毎日を過ごすあの感じのことなんだと勝手に思っている。

発泡酒は苦い。苦いけど美味しい。これが飲めないやつはまだまだ子供。これを不味いとかいうやつはまだまだ子供なんだよ。ビールは高いから買わない。てか、買えない。

発泡酒はビールの紛い物だ、ってあの男は言ってたな。味の違いが本当に分かんのかな。

 

紛い物で良い。だって、これは恋ではないし。