2016-07-13から1日間の記事一覧

憂き世話

お前が死んだって世界は変わらねえよ。ただ少しの数の人間が悲しんで、そしてお前のことを忘れていくだけで、そんなことでは世界は変わらない。だから生きるってのも虚しいだけなら、もう好きにしてしまえばよいさ。お前が死んだって世界は変わらない。いや…

憂き世話

誰かが自分の名前を呼んだような気がして振り返ると、クラスで一番可愛いと言われている女子と目が合った。僕は2秒ほど彼女を見つめていたが、目が合った途端に彼女の眉間にはその端正な顔に似合わぬ、深々とした皺が生み出された。自分のことを不審に思っ…

汚い部屋

メンヘラ気質に拍車がかかってきている自覚がある。隠していたけれど、隠し通すのもそろそろ限界なのかもしれない。 正直、今までの人生病んでいた記憶しかない。別に鬱病とかそういう病気ではなかったと思う。ただ精神的に弱いだけで、そんなのは甘えだろう…

田舎のこと

実家のある辺りは山に囲まれていて、川が流れ、民家よりも田圃の数の方が多いような場所である。 幼い頃から生き物が好きだった。好き、というよりは生活の中に生き物がいることが当たり前のこと過ぎて、生き物と関わらざるを得なかったと言った方が良いのか…

海辺を想う

あの日の海を思い出してみる。 死んでも構わないと思いながら歩いていると、海に来ていたのだった。砂が足に纏わりつく鬱陶しさすらどうでも良く、ただ生きる事の不遇さや理不尽さをアルコールで溶かしながら歩いていた。波の音が思っていたよりも優しかった…