それが毎年の恒例行事のようになっていて、去年まではいつもその流れの中で眠い眠いと心の中で思いながら車に揺られていた。
今年からはバイトを初めて、盆はバイトが忙しくて、なかなか実家に帰れない。気付いたらシフトは増やされていて、なかなか実家に帰れない。実家は近いのだけれど。
地元に残った僕はバイトに忙しく、友人たちが帰省しても、なかなか会えない。
なんだよ、良いことないな。
そんな風によく思う。
バイト先に可愛い女の人が来たら、それに癒される。でも、大体家族連れで来るので、可愛い女の人の近くには五月蝿いおっさんが酔っ払ってる。プラマイゼロ。
網戸にした窓に小さな虫が沢山寄ってきていて、そんなことは気にせず扇風機の前でぼーっと座ってアイスキャンデーを囓る。そんな呑気な空気感を懐かしく思いながら、今日も7時間半程バイトしてきた。
死ぬほど忙しかった今日も気付けば終わっているし、大したことなかったことにしとこう。覆水盆に返らずだし。
