一番好きな数字は何?

小さな頃、好きな数字は2であった。理由はなんか格好良いから。2以外の数字はダサく見えたし3や7に至っては、なんて変な形なんだ!と思っていた。中学くらいになると、6や9のフォルムもあれ?なかなか良いな、と思い始め、高校に入ると、あれ2ってなんかよく見たらそんなに格好良くないな、と気づき、むしろ2の醸し出す「俺って格好良いだろ?」的な感じがダサくね?と思い始めた。そして、8。こいつの格好良さにも気付いた。左右対称であり、上下も対称と見せかけて上の丸と下の丸の大きさが異なる。なんてお洒落。3もこの頃からお洒落に見え始めた。変な形だと思っていたが、改めて見てみると、可愛らしさの中に知的な雰囲気を隠し持っている数字である。1と4と5と7については未だに良さが分からない。所謂、平凡な数字のように感じている。可も不可もない。そして0。これは美しい。左右対称、上下対称、なにより「無」を表す数字であるというところが本当に美しい。「無」でありながら、たしかに存在するのだ。なんだこいつは。人智を超えている。神のような存在、と言えるのではないか。見た目の美しさに加え、その存在自体に究極の美を感じざるを得ない。まさに数字界の神である。しかし、それでも0は数字の中の一つに過ぎない。0123456789。その中の一つ。我々は物を数える時に、1から数える。ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ…。0は、他の数字、物として存在する数字たちの中に紛れ、あたかも自分も存在しているかのように振る舞っている。もし、0が存在するとするならば、それは我々の頭の中、そこに概念として存在するのである。我々は概念の存在である0を、数字として可視化し、その存在を日常生活へと還元している。

「神様とは?」

ちなみに僕の一番好きな数字は8です。