青年

小説をいつか書いてみたいと思っていた。本を読む習慣はなく、今でも大した数の本を読んではいないが、本を読む度に感動したり、しなかったりしていた。本を読むことが嫌い、と思ったことはない。
勉強は現代文だけ大好きだった。英語も現代社会も世界史も数学も、どれもこれも取り組んでいると頭が痛くなるような気がしていた。現代文だけは、本当に楽しかった。いつまででも問題を解き続けられると思いながら、勉強をしていた。
小説を、一回だけでも自分の手で、頭で、書いてみたいと思っていた。どんな物語になるのか自分でも見当がつかないが、それはそれで楽しいような気がする。
一作で良い。いつか自分が小説を書き終える日を楽しみにしている。