雑記

人は皆、自意識の中に生きている。眼に映るものは全て自意識によってしか認識されない。つまり、人間はそれぞれがそれぞれの世界を見ていて、その世界を創り出しているのは紛れもなく自分自身である。人間は自分の中に生きている。だから、逃れられるはずがない。自分が世界なのだから。生きるということは、世界に身を置くことだ。生きている限りは、世界の中を彷徨うしかない。世界からの離脱は、自己の喪失を意味する。

 

僕と君は同じ部屋で暮らしていても、同じ世界には暮らしていない。同じものを食べていても違うものを食べているし、同じ景色を見ていても違う景色を見ている。

 

それがとても寂しい。