2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

憂き世話

集落の中心を焼鳥の串の如く真っ直ぐに抜ける市道脇の、人ひとりがやっと歩ける程度の幅しかない歩道を歩いていると、いつもの夜には決して聴こえることのない賑やかな話し声が、幾戸もの民家の窓から漏れ聞こえてくる。 盆の連休の間、集落には人間の気配が…

憂き世話

六月二日、曇り 寝室の電灯はずいぶん前に力尽きてしまって、しかし、寝室なので特に不便も感じず、長い間、取り替えずに放置している。寝るだけの部屋に、灯りはいらない。暗い部屋の中、布団にくるまって色々なことを考えるのが日課になってから何年が経っ…