憂き世話

 ライターで火をつけた煙草、久々に吸う煙草。咥えて、そして、吸う。普段の呼吸よりも強めに吸う。深呼吸よりは浅めに吸う。

 

 クソ不味い。

 

 よくこんなモンを、毎日、いや、毎時間、飽きずに吸ってられんな、オッサンら。と思う。口には出さない。口に出すのは、媚びて空虚に取り繕った言葉。ダルい。あー、ダルい。

 

 社会は人間が回している。そう勘違いする奴は馬鹿よりも多いが、実際は「人間社会」を人間が回しているだけで、人間以外の社会を「社会」と呼ばないことで、俺ら最強じゃね? 的な振る舞いばかりしてる。人間社会以外の社会の方が圧倒的に多いこと、見ないふりしてるのはいいけど、それらを壊していっていることにも気づかずに、環境保全! とか、ほざいて気持ち良くなっている。「壊したの、お前らだろ」なんて被害者たちは何も言ってくれない。動物は無口なわけじゃなくて、人間が喋り過ぎっていうだけだ。言わなくても伝わることってある、とか言う奴、たまにいるけど、お前のやってること的外れでしかないよ。気づけよ。

 

 俺らは、生きてるだけで害悪なの。

 

 完全正義な人間って、一体、何人いる?

 あんたはどう?

 ほら口籠るじゃないか。

 ダサ。

 

 俺は、馬鹿だし間抜けだし、何も考えてないけど、人間ほど馬鹿な生き物いないと思ってるよ。壊して、全部、自分らの都合の良い形に作り直しているじゃないか。それが、自分らの首を絞めてることにも、気づいていないじゃないか。

 

 なんて、ここでボソボソ喋っていても、どうにもならない。立派なこと言えない。だって、俺は人間だから。馬鹿だから。守れないから。

 

 ごめんなさい。