憂き世話

お前が死んだって世界は変わらねえよ。ただ少しの数の人間が悲しんで、そしてお前のことを忘れていくだけで、そんなことでは世界は変わらない。だから生きるってのも虚しいだけなら、もう好きにしてしまえばよいさ。お前が死んだって世界は変わらない。いや、でも、あれだな、お前の思ってる世界ってのが何なのか、それによって変わってくるのかもしれないな。お前が変えたい世界は、どこにある? お前の中にあるだろ、多分。世界ってのは無数に蠢いてるから、そのひとつかふたつくらいなら、変えられるのかもしんないな。大抵の人間が世界だと思ってるのはただの外枠なのかもな、外枠変えたところで、その中の絵画がクソみたいな出来栄えのものなら、それこそ虚しいだけだ。お前が綺麗な絵を描いてやれば良いのかもな。そのために死ねよ。