憂き世話

吸って、吐く。

 

これを何百何千何万回と繰り返す滑稽さは全生命共通の、いわばこの世界の理。

 

思い切り吸って、吐かない。

 

たった数十秒で僕は苦しい。

繰り返して繰り返して、もうそれが普通になって、僕は数十数年を生き延びているらしい。

 

吐く。吸う。

 

それは最早、自分の意思とは関係なく、この身体に巣食う生命とやらが、勝手に、僕の意思とは関係なく。

 

僕は虚しい。

 

僕、とは一体、何なのだろう。

 

僕は生命に生かされている。生命に死は恐ろしいと言い聞かせられている。言いくるめられている。生きていくほど恐ろしいことは、ないだろうに。

 

意味はないけど、意思はある。余計なことしやがって神様。