2021/3/28 : 春

地獄みたいな日々を必死に泳いでいる。

でも、この地獄みたいな日々の作者はきっと僕なので自己責任だろう。僕は時間という食糧だけを与えられているだけで、自分の脳味噌で生み出された咀嚼の仕方しかできないのだから。

「おれはこういう人間だ」

ビッグダディの言葉が心に染みる。この言葉に感銘を受けているのはおそらく全人類の中で僕だけだと思う。

 

 

頭痛と悪心と目眩と倦怠感と食欲不振と不眠etc.

これでもかというくらいに不調が詰め込まれた身体をぶら下げて、だらりだらりと水面を漂い、息継ぎを繰り返している。沈んでいないだけマシなのかもしれない。

毎日、二日酔いのような体調。

そりゃ死にたくもなるわな、と思う。うつ病者の自殺は希死念慮によるものだけではなくて、この苦痛からの解放を求めての最終手段として、というのもあるのだろうな、と勝手に考える。

いや、酒をほとんど毎日飲んでるので本当に単なる二日酔いなのかもしれない。まずは酒をやめろ。無理か。

 

 

叔母の退職祝いの会食に行った。

会場に着いた瞬間に一回、食事中に一回、トイレに駆け込んでゲロを吐いた。胃に入れたばかりの食物を一瞬で吐き出す滑稽な僕。食物は胃液に侵される前で、まだ味が濃く残っていたので、おかゆか雑炊を吐いてる気分だった。おかゆ製造機。人生で一番美味しいゲロだった。

少しずつ箸を進めるも、けっきょく半分も食べられず、食べたものも半分以上吐き出して試合終了。五千円もする料理が勿体ない。こんな甥っ子で申し訳ない。茹でられた赤い体に嫌に黄色い酢味噌を添えられたホタルイカがこっちを見ている。

 

 

春が好きだ。

暖かいし、生命を感じるから。新緑、日光浴する爬虫類、色鮮やかな花々、小さな身体でランドセルを背負う新一年生、そして、何時間も布団から出られない僕。

今日の天候は、強風に雨。春の嵐だ。良い天候とは言えないが、これぞまさに春! という天候だと思う。春は馬鹿みたいに風が強い。

春は全てに平等に訪れる。桜は毎年咲く。それなのに、同じ春は二度と訪れない。し、僕が感じているこの春と同じ春は存在しない。誰にも平等に訪れる春だけれど、その春はあなただけの春だし、この春は僕だけの春だ。

 

愛しいあなたよ、良い春を。