2021-09-20 : 味噌

脳味噌みたいなグロい気持ちの悪い塊がさ、どんな可愛い女の子にも格好の良い男の子にも、天才にもクソ馬鹿にも、一人ひとつ、備え付けられてるらしいんだけれども、だけど、その実物を見たことのある人って、まぁ、いなくて、僕らは脳味噌とかいうグロい気持ちの悪い塊に支配されながら、本当は、頭蓋に何が詰め込まれてるのか、知らないまま、信じ込んでいるだけで、だから、この身体、僕の身体、貴女の身体、みんなの身体、脳味噌、みんなの脳味噌、それを味噌汁にして、そう、蟹味噌みたいに美味い美味いって、僕らより力の強い生物の娯楽にされて、そんで消費されて、乱獲されて、僕の愛するあの子や、あの子の愛するアイツや、全部、餌になって、そこに誰も何も感じない世界が新たにいつか出来上がって、支配者は人間ではなくなって、人間は食われる側になって、それで解決することは沢山あって、悲しむのは人間だけで、それをものともせずに食う方は食うし、呆気なくて、僕はそれを少し、希望、のようにも思ってしまって、それを誰にも言えずに、心の中で反復して、繰り返して、そうしている内に、食われてしまう、終わってしまう、その頃には、人生なんて、何の意味もなくなっていて、僕らは餌でしかなくなっていて、悲しい、と思うことすら、なくなっていて、恐怖に殺されそうになっていて、救ってくれる神様なんて、もう誰も信じることができなくなっていて、僕らは、「人間」って、白トレーに消費期限のラベルを付けられて、スーパーマーケットに卸売りされているんだ。